建築日記~格ちゃんのひとりごと~

(株)環設計のブログです。 最近思った事や、建築に関する近況などを書いていこうと思います。




新国立競技場 白紙撤回 :: 2015/07/19(Sun)

平成27年7月19日~7月20日
7月17日、ザハ・ハディド案による新国立競技場の建設計画が白紙撤回されました!
ビックリですが、もろ手を挙げて大賛成です。
今回のこのコンペとその後の建設計画くらい 腹の立った計画はありません!
なぜなら、次の5つの理由で 去年より疑問を感じていたからです。
①政治家の面子、レジェンド(伝説)造り
②見た目オモシロサのデザイン優先
③ゼネコンの心意気不足
④安藤忠雄のいい加減さ
⑤聖域、神宮外苑

①政治家の面子、レジェンド(伝説)造りは言う間でもなく森喜朗元首相。
 ラグビーワールドカップの会場に使用予定の為なら、¥2,500~3,000億もハシタ金、との感覚には驚きました。
 たった 17日間のオリンピックに¥2,500億の金をつぎ込む事を不思議と考えない政治家と文科省の馬鹿さ加減!
 大体、サッカーもラグビーも雨の中でも試合するスポーツじゃないか! なぜ開閉式の屋根が必要なんだ?
 ともかく俺が造らせたんだ! と、レジェンド(伝説)造りに自慢したかったんでしょうね。
 
②見た目オモシロサのデザイン優先、は個人のセンスの問題ですけど…私は嫌いです!
 森元首相は生牡蠣がベターと地面にくっついてるみたいで気持ち悪い…言っていますが、
 私にはカブトガニの甲羅に穴開けたみたいで、あまりにグロテスクで気持ちが悪いです。
 ・・・確かに流線型で近未来の建築みたいだけど、始めて目にする人には只々、形がオモシロイだけで
 1回見れば間違いなく飽き飽きられてしまう形です。パビリオンのような一過性のイベント建築のデザインです。

 代々木のオリンピック体育館みたいな、力強く空に舞い上がるような構造的躍動感が感じられません。
 代々木のオリンピック体育館みたいに、明日に向かって!と気合が入る、健康的な雰囲気がありません。
 オリンピックの建物なら、単純でも良いから健康的で、力強いデザインが欲しいです。

③ゼネコンの心意気不足、とは 簡単に言えば大成建設も竹中工務店も<やりたくない!>という事だと思います。
  あんな馬鹿でかい土木のキールアーチ (長さ400m 直径7.0m はスカイツリー長さ634m の約半分の大きさ)を
  2本も、しかも地盤の良くない敷地で地下鉄も通る地域に建設する事に乗り気では無い、やりたくない…
  という事だと思います。 良く出来て当たり前、悪くすると会社の存亡にかかわる大仕事です。
  国の仕事で辞退は出来ないから、ともかく高い見積もりを出せば…森元首相も文科省も JSCも諦めるだろう …
  と言うのが私のうがった見方です。  でも 現実に7月17日 その通りになりました。

  50年前の東京オリンピックは国の威信を掛けて、戦争が終わって新しい日本を世界の方々に見てもらおう!
  と全ての分野で、国民が一体となって取組んだ大事業でした。当然ゼネコンはその先頭に立って働きました。
  でも今回は何か違います。ゼネコンは国の威信より、自分の会社の経済損益を考えています。
  政治家はレジェンド造り、国民は景気回復のチャンス…と経済的理由が優先しているようにおもえます。
  <おもてなし>の気持ちで準備しなくては!

④安藤忠雄のいい加減さ… ともかくガッカリです。あまりにも馬鹿です!
  個人的には、現代日本を代表する世界的建築家として尊敬していました。彼の作品集も数冊は蔵書しています。
  しかし<有識者会議はデザインを検討する場で、工事費の検討は責任外である>との発言には驚きました。
  有識者会議の委員長は彼であり、建築の専門家は彼、ただ一人です。
  デザインの選考は当然、さらに概算価格の検討まで行うのが、建築家としての彼の存在価値ではないですか!
  それを<何でこんな高くなってしもうたんか?よう分らん>とは 何事か、この大馬鹿野郎!と怒鳴りつけたいです。

  …高くなった理由は上記③で述べたように ゼネコンがやりたくないからです、こんな簡単な事が分らないのかな?
  自分の周りに意見を言ってくれる人が居ないのかな?まさか裸の王様になっているのかな?
  昨年、すい臓ガンの手術をし体調があまり良くない、との事で、説明会を欠席されたことは承知していますが
  あまり建築家や建築士の存在意義をおとしめる発言は控えて欲しいです。

⑤聖域、神宮外苑…とは 今回のコンペ報道では工事価格とキールアーチのデザインに関する記事がほとんどで、
  敷地の持つ歴史性や風土性の観点から、コンペの意義が報道されていない事への憤慨です。
  明治神宮は明治天皇崩御の翌年(1912年 大正元年)に、渋沢栄一らの請願で明治神宮建設の端緒が開かれ、
  明治神宮一帯を内苑、さらに付近一帯を外苑として官民が一体となって整備した公園であり、東京都が風致地区
  第1号として指定した地域です。特に絵画館へと続く銀杏並木は大正時代から親しまれてきた東京を代表する
  並木道であり、絵画館周辺は緑豊かな木々に囲まれた日本の広場の原型です。

  しかし、ザハ・ハディド氏にとっては今回のコンペは世界中で行われる国際コンペの一つに過ぎず、
   明治神宮の歴史性や風土性への考慮はほとんどなされていません
   (JR中央線や首都高速道路をまたいでアーチが掛っています)
  どうしてこのような案が1位に選ばれたのか? 見た目のオモシロサで選ばれたとしたら真に失礼な話です!
  コンペはゼロから再スタートとの事ですので、敷地の歴史性、風土性をを考慮し、周辺環境に配慮した
デザインに決まってくれることを期待しています。そして出来るなら日本人の建築家に!
  

 


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