建築日記~格ちゃんのひとりごと~

(株)環設計のブログです。 最近思った事や、建築に関する近況などを書いていこうと思います。




平成31年 建築士会 新年の挨拶 ※少し長いですが :: 2019/01/13(Sun)

皆さま明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
さて平成もこの4月で終わりますが、陛下のお言葉にもありますように戦争も無く平和な時代であったと思います。
しかし建築業界にとっては実に多事多難な30年であったと思います。
平成17年の姉歯事件を契機に建築基準法や建築士法の大改正が行われ、業界は一時パニック状態となりその後、
平成21年のリーマンショックで建築業界は最悪の時代を迎えました。
また杭偽装、免震偽装などで建築業界に対する社会的不信の目が大きくなりました。
が、一方では建設業界は2020年の東京オリンピック関連を中心に首都圏では未曽有の好景気に沸き返り、
栃木県でも2022年のいちご国体関連や各市庁舎の建替え等、多くの公共工事が順調に発展しております。

 このような状況の中で建築業界は今後どう変化して行くのか、
三点ほど予想させて頂きます。
一つ目は近代建築を代表する鉄、コンクリート、ガラスの3建材に続く、第4の建材としての木材と木造の見直しです。
平成22年の公共建築物等木材利用促進法の制定により
建築基準法では木造の基準が大幅に緩和され、今では木造で出来ない建物は無いとまで言えます。
また今までは木造と言うと住宅系が中心でしたが、今後は低層の非住宅系建物を中心として
耐火や準耐火建築物の普及が進むと思います。

二つ目は設計ツールの変化です、昭和40年代に普及し始めたドラフターや平行定規が平成の初めにはCADに代わり、
新しい元号と共にBIMの時代が始まるような気がします。
今後は業界内部の異業種間のNW構築と情報の共有化が求められと共に、
AI設計も徐々に普及し建築士の独創性、独自性がますます求められるようになると思います。

三つ目はコンビニ業界に見られるように大手資本による業界の再編成が加速し、
住宅関係では地域工務店の市場が少子高齢化と相まって大幅に縮小すると思われます。
栃木県の住宅着工戸数はh21年のリーマンショック前は年平均18,000~2万戸でしたが、
リーマン以降は15,000戸台に落込み、ここ数年は12,00戸台で推移しています。
おそらくあと数年後には1万戸を割るのは間違いありません。
実に約20年で着工戸数は半減すると思われます。
このような状況の中で地域の建築士や工務店が生き残るには
地域型住宅(気候風土住宅)や地場産建材などの良さをもう一度再確認し、
現代技術と融合させる温故知新の取組により会社の独自性を明確にすることが求められると思います。

その第1弾として、新春早々の1月27日日曜日午後1時半より建設会館3階で<和の住い>に関する講演会を開催します。
和と言いましても数寄屋や茶室ではなく、地域型住宅に見られる<和>です。
地域型住宅とはその地域〃の長い歴史や文化、気候風土や地域建材から生まれ、そして成長してきた住いです。
その中には省エネやエコロジーに役立つ多くの知恵やヒントが含まれています。
これらの知恵やヒントをもう一度再確認し、現代の建築技術と融合させた温故知新の住いを考え
日本の建築文化や住宅文化を次世代に伝えてゆく事は、我々地域建築士の任務でもあります。
また地場建材業界を代表して木材、漆喰、大谷石の3団体の代表者、
更には国交省や林野庁、県による行政の取組み方…等もお聞きしたくお招きしておりますので、
是非ご参加いただきと思います。

最後になりますが、建築士会にとっては年末の大きなプレゼントがありました。
それは年末の臨時国会で改正建築士法が国会で成立した事です。
この法案は建築士の受験資格を大幅に改正し、建築士の数の増加を目的としており、会
員増強の面からも大歓迎の法案です。
栃木県の建築士の合格者数ですが平成30年度は2級建築士が104名、1級が18名と最低の合格者数となりました。
そんな中で今まで厳しくなるばかりであった建築士法に少し明るさが見えたような気がします。

ともかく建築士会は【建築は地域の中核産業であり基幹産業である】との認識から
地域に根差した建築士として地場産建材業界との連携を積極的に進めると共に、
一般消費者の方々に地域で活躍する建築士や地域工務店、地場産建材…等を知って頂く為の
パイプ役や家づくりのサポート役を目指してまいります。
そして今年もし<栃木ファースト>の旗印を掲げて頑張ってまいりますので、
会員皆様のご指導ご鞭撻をお願い申し上げると共に、皆様の大きな飛躍を祈念いたしまして新年のご挨拶とさせて頂きます。

平成31年1月10日
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