建築日記~格ちゃんのひとりごと~

(株)環設計のブログです。 最近思った事や、建築に関する近況などを書いていこうと思います。




やり切れない思い :: 2023/02/26(Sun)

今日は令和 5年2月26日 
ロシアのウクライナ侵攻は2月24日を過ぎ、丸1年経過しても まだ終了どころか、解決の糸口も見えません。
プーチン(呼び捨てで十分です)が一言、止めた!と言えば すぐに終結するのに…
18世紀や19世紀ならいざ知らず、21世紀の今 なぜウクライナをロシア領土にしなければならないのか?
ロシア国民が望んでいるとは思えないので、NATOがロシアを侵略するとプーチンが思い込んで自己防衛の為
かね?…まさか世界征服を考えてるの? 
ともかく専制国家で 時代錯誤、自己顕示欲の人物が権力を握ると、こんな事が起きるのか! 
と言う事が良く分かりました!いっその事、ロシアもNATOに加盟すれば 世界は丸く収まる!のでは…
この方が現実味がありそうですね。
日本だって海を隔てて同じ考えの権力者が 2人もいるのだから、早く憲法改正と防衛予算の成立を目指して欲しいです。

そしてトルコの大地震、何と5万人超えの死者の数! 
トルコも地震国だけど政治体制が違うと、建物もあれほど脆弱になるものか!と驚いています。

ともかく 何かやりきれない2月ですが、環 設計もやり切れない思いの物件が2つあります。
一つ目は 日光地方の3階建てアパートのReformですが、当初の話では築40年以上の為、外観も室内も
バージョンアップして、入居者が住みたくなるような設計を希望との事でしたので 次の 3点を中心に設計しました

① 駐車場は1台/世帯を確保⇒ともかく駐車場は絶対条件ですので敷地の関係で 5台しか確保できません。
  現在 1DK10戸を 2DK5世帯とし、若夫婦又は世帯者向けにしました

② ACや照明は必需品 リビングに設置⇒建物のオーナーはACは不要と考えているようですが、
  日光では冬季は-5℃以下が当たり前。ACは冷房器具ではなく、暖房器具で必需品です!
  もしACが無ければ灯油やガスストーブになり、火事が心配です。

③ 寝室、予備室に押入れ&クローゼットを設置⇒ 部屋が狭くなるから クローゼットは不要とのこと。
  6畳を7畳に 寝室8畳は9畳に広げて欲しいとの事ですが、入居者が家具を持込むとは考えられません。

ともかく平成、令和の賃貸アパート、マンションは 身一つで引越しが出来すぐに生活出来ることが条件です。
その為には 上記の3条件のほかに ・冷蔵庫 ・洗濯機 ・電子レンジ ・ IHヒーター ・ウオシュレット…も
設置しておけば鬼に金棒の賃貸アパートになり、トントン拍子で契約になると思います。
ACや冷蔵庫…等の家電品は共益費として¥3,000~5,000/月徴収すれば、5年もあれば回収出来ます。

しかし残念ながら上記の3点を中心に 設計を進めましたが、オーナーからの答えは
ACや照明は贅沢過ぎる、1DK10室で駐車場の不足分は別な敷地に月極で借りる、
部屋は広い方が喜ばれる!と言う事で、設計変更を求められました。

当初の<グレードアップして入居者が住みたくなるような設計>の夢や理想は どうなったのかな?
単なるReform ではなく、Refine を目標に設計していただけに やり切れない思いです。
仲介者の話では、オーナーは東京在住の独身の高齢者との事。
結局 オーナーの頭にある賃貸アパートは 昭和 50年代頃の 漫画<男おいどん・大4畳半物語>
の<部屋と押入れがあれば良い>の男の世界なのかもしれません。
そんな訳で設計変更は本当にやり切れない思いです…ヤレヤレ

もう一つのやり切れない思いは、長くなりましたので 次回にします。



















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木造トラス講習会 :: 2023/02/04(Sat)

R5年 2月4日
昨日 日本プレカット技術協会、栃木県の協賛を得て、 テクノウッドワークス(株)真岡工場で
<JISキングポストトラス>の座学と 組立て実務を開催しました。  IMG_20230203_130314.jpg  IMG_20230203_130250.jpg 
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40名募集でしたが、53名の方が参加してくれ 主催者としては大変嬉しかったです。

<キングポストトラス>建築関係者なら大抵は見ているはずですし、明治初期から昭和30年代までは
大型の木造倉庫や富岡製糸場等の工場はほとんどがキングポストトラスで出来ていました。
しかし昭和334年の<日本建築学会決議;木造建築教育禁止令>以降は 鉄骨造主流となり、
高校、大学での木造トラスを勉強する機会が無くなり、街中の建築から
姿を消しました。かろうじて 牛舎や養豚場などに キングポストトラスもどき…が残っています。



さて 2010年(H22年)公共建築物木材利用促進法 の制定以来 木造建築の強靭性や環境貢献度が
再度評価されるようになり今、低層建築の主体は木造に移行しつつあります。
私たち(一社)栃木県建築士会では、この潮流が令和の時代の建築を担う潮流になると、
さらにSDGSや環境共生に貢献する建築になるとの考えから、4年ほど前に<とちぎ木造建築塾>を
立上げ 3年間で75名の卒業生を輩出しました。

しかし 座学や図面はイメージの世界であり、微妙に違和感を感じておりましたので、直接組立てる
講習会を開催する事で、モドキ…ではない正規の木造トラスを勉強しよう!…との思いで実施しました。

座学で 2時間ほど勉強した後、工場内で加工された木材を自分たちで組み立てて見ました。
あまりの精度の良さ(本当にプラモデルよりもBetterです)に現代のプレカット技術の凄さを実感すると共に
スパン 8.0m 3.5寸屋根勾配の 大型トラスが僅か25分程度で組立て終了しました。
図面で感じていた微妙な違和感も スッキリ解消し、木造を実に身近に感じる事が出来た講習会でした。
多くの参加者も 木造トラスが身近に感じ取れ、鉄骨造にプラス 木造トラスと言う 設計ツールを加える
事が出来た…と喜んでくれました。

<とちぎ木建建築塾>次回は 陸屋根に有効な平行弦トラス、次は片流れ屋根に有効な張弦梁トラス…等
に挑戦して行きたいと考えながら、帰宅しました。

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