平成29年5月28日 【家づくりサポートセンター】設立の動機について 県のパブコメに投稿した内容です。
栃木県建築士会の青木と申します。今回、県民税(森林税)の使用目的についての
パブリックコメントの募集があるとお聞きしましたので、応募させて頂きます。
森林と環境問題や 栃木県の林業の発展にとって、
設計や施工に直接かかわる我々建築士の役割は非常に大事であると考えております。
現在、建設業界は平成22年公共建築物等における木材利用促進法の制定以降、
非住宅系を含め多方面で木材の利用が進んでおり、昨年はCLT(積層接着厚型パネル)の設計法に関する告示が出るなど、
新しい技術開発も進んでおります。
しかし地場産業である住宅建設業と地場産建材業は、地域の中核産業の地位から大きく後退し
近未来的には著しく縮小してしまう可能性が考えられます。
ちなみに栃木県の住宅着工戸数は2010年以降、平均1万3千戸で推移していますが
10年後には1万戸を割込み8千~9千戸になると予想されます。
一方、工法別にみると非木造系住宅が約4千戸、木造系住宅が9千戸ですが、
2×4工法や 大手ハウスメーカー、地域のパワービルダーによる分譲住宅を除くと
地域の工務店や設計事務所が受注している住宅は年間約4千戸と推定されます。
10年前までは約8~9千戸でしたので、いかに激減したかが分かります。
原因は大きく二つ考えられます。一つは、一般消費者の住宅に対する要求が大きく変化した事、
もう一つは 設計、施工者側から消費者への 在来木造住宅の良さのPR不足です。
一般消費者の要求の変化に対しては、時の流れと受け止めるしかありませんが、
もう一方のPR不足は、地場の建設業界が至急に取組まなければいけない課題であると思います。
栃木県建築士会は建築士の資格を有する資格者団体で、職域は 設計、施工、資材販売から
行政、教育職まで多方面の方々が参加している団体です。
また地域に根差し、職業を通して地域の発展に寄与する事を目的としている団体です。
そして今年度から上記の2番目の課題に取組む為に(仮称)家づくりサポートセンターという窓口を立上げ、
<栃木ファースト>を旗印に一般消費者の方々に無垢木材の良さや県産木材の積極的利用を始め、
各種地場建材の紹介や家づくりのノウハウを教えるセミナーの定期開催などを計画しております。
また一方で在来木造の設計士が少なく、木材利用が浸透しない現況を脱する為に
会員建築士を対象に<木造塾>を立上げ、川上の林業視察や川中の製材視察をスタートラインに、
一年間の講習期間で在来木造設計士を年間30名、3年間で100名誕生を目標に開講し、
設計士の立場から在来木造住宅と地場建材の良さを、消費者に積極的にPRして行きたいと考えております。
川下の設計、施工の立場から 川上の林業支援、更には栃木の環境保全のお手伝いできれば
職能としての建築士の誇りです。
最後になりますが、当会の主旨をご理解頂き、ご支援を頂ければ幸甚です。
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平成29年 5月23日 栃木県建築士事務所協会 総会での来賓挨拶のレジメです
ただ今ご紹介頂きました、栃木県建築士会の青木です。
本日は建築士事務所協会様、平成29年度通常総会の無事終了との事、おめでとうございます。
サテ建築士と建築を取り巻く大きな変化を 3点ほど紹介させて頂きます。
まず新建築士の合格者の減少、とそれに伴う建設業界の人手不足です。
1級建築士の合格者数が昨年は3,600名でした。20年前の平成9年は6,900名誕生していますので、
この20年間で約1/2 に減少しました。また先週の読売新聞の記事ですが、建設業界の今年の求人数69,000名
に対し、応募者数は7,000人弱で、流通業界に次いで不人気との事です。
原因は休日が少なく、残業が多いからだそうです。遣り甲斐のある仕事より、休みが優先とは時代ですかね (>_<)
2点目はCADからBIMへの設計手法の変化や人工知能AIによる自動設計の開発などの…
設計や建築現場における IT化の大きな変革に波です。
この IT化の波は今後益々、範囲を拡大し建築の未来を拓く事が予想されますが、
一方で情報だけで設計が完了してしまう、人間不在の設計とならないか?と不安も感じます。
建築士の製図試験が手書きであるのは、鉛筆1本で設計思想を伝える事が、設計者の基本である事の証だからです。
そして3点目は省エネ法による省エネ対策とエコロジーに関する各種の規制強化が進む一方、
中古住宅の再活用を目指して既存住宅状況調査技術者制度が宅建法の改正で施工され、
空き家、空き店舗対策が本格的に動き出しました。
今後は建築の定義が<古い建物を壊し新しく建てる事>から<古い建物に新しい価値を付加し再活用する事>
と言う言葉を付加する事になると思います。
以上の変化に対しどのような対応をしてゆくべきか、問題が大き過ぎて答えは分かりませんが、
変化に対応して生き抜くことが今、求められている事だと思います。
進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。
最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」という考えを示しました !(^^)!
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平成29年5月 7日(日)
昨日、古賀志山登山に行って来ました。途中でルートを間違えて、とんでもない岩登り(鎖が付いてます)を
3回繰り返して、象の鼻の様な大岩が先端に突出している山頂に到着、一瞬頂上?と思ったけど…何か変??
アレ これって鞍掛山の大岩じゃないかな?
気を取り直して尾根伝いを西に向かうと、何と遥か先に古賀志山の電波塔が見える!アア…あそこが古賀志山だ (*_*)!
それから 炭坑節ではないけど、二山、三山、四山と超えてヤット 古賀志山の富士見峠に到着。
すでに出発してから三時間 経過・・・ともかく 大変なハイキング登山になりました。
去年もルート間違えて、山中を一時間近く徘徊したのに今年もまた繰り返しました、馬鹿だね (>_<)
しかし、たかだか 580mの山なのに、山は怖いですね。
話がそれましたが 2月27日 スマホ交換しました。
前のスマホがラクラクホンの為、反応が遅く、メール打込…等でイライラする事が多かったので
思い切って変更しました。平成26年 1月26日 購入から丁度、3年目の交換です。
しかし、 この3年間で あまりの便利な多種多様の機能が増えたことに、圧倒され 驚かされました (?_?)
ともかく、電話、メール、SMS は勿論、写真、動画、音楽、GPS位置情報、時刻表から LINEからツイッター・・・
もう何だか 分からなくなってきました。
でも考えたら 全て形の無い情報だよね!
3年前の2月3日のブログではこんな事を書いてます
=【 お顔が見たけりゃ お写真で
お声が聞きたきゃ お電話で
こんな便利な 世の中で
会わなきゃ 出来ないこともある~】
と言う粋な都都逸があります。
何と昭和10年台の歌なんです。 もう、80年も前になるけど、言ってる意味は変わっていませんよね=
ソウ正にその通りだけど、スマホの機能の変化はとてつもなく進化していますね。
日経アーキテクチャーと言う雑誌で、 しりあがり寿という漫画家が
<スマホさえあれば、家や部屋はどうでもよくなり、無味乾燥な蜂の巣みたいな場所が増えるのではないか>
<Wi-Fiさえつながれば、そういう場所をノマドみたいに転々として、家も家族も持たないで暮らして行く人が増えるのでは?>
と書いていますが、正にそんな社会の入口に 今、私達は立っているような気がします。
スマホは情報であって、電源を切ればただの四角い箱!
衣食住それ自体を作り出すのは、人の手である事を再確認すると共に 精神的豊かさを改めて確立する必要があると思います。
衣については、晴れの日には着物姿で、日本文化を感じ
食については、一汁一菜のご飯と味噌汁と漬物の食事を残すことが、和食の基本を残す事となり
住については、木と畳と左官が、日本の建築文化の精神性を伝える基本であると思います。
日本人としての精神性は 潔さであり、清潔感である事を 私は矜持していたい!と思います。
スマホそして AI へと 益々社会は変化し便利になってゆくけど、自分は何者か、自分の立つ位置はどこか!
What、Why、How to~ をシッカリ見極めないと、本当にノマドになってしまう時代が今、始まったような気がします。
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