建築日記~格ちゃんのひとりごと~

(株)環設計のブログです。 最近思った事や、建築に関する近況などを書いていこうと思います。




建築散歩 赤坂離宮他 :: 2017/04/29(Sat)

平成29年4月16日
NPO法人 栃木エコロジー設計協会 恒例の春の建築散歩でに行って来ました。
今回は昨年開館した、墨田区のすみだ北斎美術館と明治絵画館(聖徳記念絵画館)
そして今年から一般公開された赤坂迎賓館(赤坂離宮)と東京建築散歩となりました。
ざっくばらんに感想をまとめてみました

① すみだ北斎美術館・墨田区亀沢2丁目7-2 設計;妹島和代 /平成28年11月竣工
  ・4面にクサビ型の進入路、外壁はアルミパネル。折り紙細工の建築みたいで個人的には (>_<)
  ・環境的にも 住宅密集地にあんなピカピカの非人間的な壁が相応しいのか?疑問です
  ・しかし内部のデスプレイにはビックリ! 今までの美術館の展示とは全く違い、ハイテク展示です!

② 聖徳記念絵画館(神宮外苑 明治記念絵画館)設計;小林正紹/大正15年10月竣工
  ・学生時代から何度も前を通過していましたが、あまりに畏れ多い象徴的建築物の為、
   今回初めて意を決して入館してみました。
  ・正面ホールは帝冠様式的物々しいデザインですが、ギャラリーはトップライトからか自然光が降り注ぎ、
   床は絨毯、壁は整然と絵画が並び、天井はRボールトのネオ・ゴチック様式で 穏やかで暖かい雰囲気です。
  ・絵画は明治、大正を代表する日本画、洋画の大家の作品ばかりで、教科書や美術書で見か
   けた事のある、作品が数多く含まれていました。さすが明治天皇の偉業を称える美術館です!

③ 赤坂離宮(赤坂迎賓館) 港区元赤坂2-1-1 設計;片山東熊/明治42年 竣工
  ・この建物も学生時代から何度も前を通過していましたが、固く門が閉ざされており私には
   別世界の建物でした。あれから37年、今年から一般公開となりましたので、思い切って応募しました。
  ・TV<美の世界>で予備知識はありましたが、正面玄関ホールから彩鸞の間、花鳥の間、羽衣
   の間…と続く帝国様式に、これを明治の日本が、明治の職人が作ったの!と唖然としました
  ・ともかく絢爛豪華とは此の事!おそらく日本の洋風建築で体験出来る、最高の空間です。
  ・明治とは、ともかくひたすらに欧米を模倣し、欧米を理想として官民が一体となって走り続けた時代であることが
   良く分かります。そして フェノロサと岡倉天心が居なかったら日本文化は消滅していたかもしれませんね!
   残念ながら明治の建築家には、日本の建築文化を見直す余裕が無かったようです。

明治の建築家 3巨人 と言われる人を見てみます
 まず この赤坂離宮を手掛けた <片山東熊> この他に東京国立博物館、京都国立博物館を始め宮内庁関係や
    公共建築を 数多く設計しています。
 次に<伊藤忠太>何と言っても まず思いつくのは 築地本願寺ですね! その他にも明治神宮を始め数多くの
    社寺建築を手掛けています。
 そして最後はやはり<辰野金吾>先生です! 代表作はやはり東京駅ですが、他にも日銀本店を始め多くの銀行や
    民間の仕事を手掛けています。
 ザックリ言えば 宮内庁や公共建築は 片山東熊、社寺建築は伊藤忠太、民間建築は辰野金吾 と言えますが
作品を見ると 全てヨーロッパの雰囲気が漂っています。

 今の日本ではそれが<明治レトロ>として、私たちに 違和感なく 受け入れられている事を考えると、
 明治以降の洋風建築 は、和との対極として考えるのではなく ・・・明治の和 なのかな?
正面玄関

 
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家づくりサポートセンター構想 :: 2017/04/01(Sat)

平成 29年 4月 1日(土)
家の近所の宇都宮高校の桜が 咲き始めました!春が来ました (^O^)/
今日から 4月、年度初めの新しい気持ちで 今年の抱負を紹介させてもらいます。
まず、家づくりサポートセンター 構想です。

栃木県の住宅着工戸数は ここ数年は13,000戸台で推移しています。
内訳は木造住宅系が 約 9,500戸、非木造系の鉄骨造やRC造が約 3,500戸です。
更に 木造住宅のうち
ツーバイフォー工法やハウスメーカーの認定住宅が 約 3,000戸近くを占めていますので
在来木造住宅は 約 6,500戸 と推測されます。
しかし、この内 地域のパワービルダー系の戸建て住宅や建売住宅が約 2,500戸近くありますので
設計事務所や地域工務店が 請負う 在来木造住宅は約 4,000戸 と推測されます。
全体の住宅着工戸数の約 30%、 1/3 弱です。

積水ハウスや大和ハウスなどの大手ハウスメーカーは年間 10,000戸以上を提供していますから
年間 4,000戸は戸数としては実に少ない数字です。
そして10年後の平成38年ごろには栃木県の住宅着工戸数は10,000戸を割り
地域工務店の担う 在来木造住宅は 3,000戸を割込むまで減少してしまうかもしれません (>_<)

一方で 地域の地場産建材、特に県土面積の40%近くを占める木材は、
樹齢 50年以上の伐採適齢期を迎えた杉、桧材の多くが利用されずに山に眠っています。
木材資源の積極的利用促進を計る事は、川上の森林保護に繋がり、
そして河川を介して川下の環境保護に繋がる 大きな地球環境保護循環でもあります。
 
そこで 地域型住宅の活性化と 地場産建材の需要拡大を計る為に
<仮称;とちぎ家づくりサポートセンター> の設立に向けて 4月から頑張って行こうと考えています。

長くなりましたので、構想は次回に紹介させて頂きます。
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