昨日、3月16日(水) 栃木県事務所協会創立60周年記念式典での祝辞を掲載させて頂きます。
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ただ今ご紹介を頂きました栃木県建築士会 会長の青木と申します。
本日は栃木県建築士事務所協会様創立60周年記念式典にお招き頂き有難うございます。改めまして創立60周年、
おめでとうございます。
さて、本日の御参会の皆様には私達、栃木県建築士会と栃木県建築士事務所協会様との区分けが良く分からない、
と言う方も多いと思いますので少し説明させて頂きます。
建築士事務所協会様は、先ほどの佐々木会長の挨拶をはじめお手持ちの資料にも詳しく紹介されておりますので、
省略させて頂きますが 建築設計を業とする業界団体で、法人資格での入会がほとんどです。
もちろん私の会員の一人であります。
一方私達、建築士会は昭和27年(今から65年前)に創立され、1級、2級、木造建築士という資格者団体であり、
会員は個人資格で入会します。もちろん、事務所協会のほとんどの方が建築士会の会員でもあります。
ちなみに平成27年度の栃木県内の登録建築士は現在、1級3,000名、2級9,000名 木造200名で約12,200名ですが
1、2級に重複登録されている方や逝去された方、高齢や病気で現業から引退された方を考慮すると、
実際活動されている方は約7,000名と推測されます。
平成27年度の会員数は1,400名ですので入会率は約20%で、会員の約90%が建設業と設計業で占められ、残
りは県や市などの行政職や学校の先生、不動産関係者など多種多様の分野にわたっております。
サテその目的とする処ですが、明治の偉人に例えるなら
建築士会は建築士としての自律と誇りを持って自らをスキルアップし、社会の為に自分を活かせ!と諭した福沢諭吉先生の
<学問のすすめ>的であり、
一方事務所協会は生業としての業と社会との望ましい関係について自らを律し、社会貢献や社会奉仕を唱えて
経済界を主導した、渋沢栄一翁の<論語と算盤>的と言って良いと思います。
以上のようにニュアンスには多少の違いがありますが、その目的とするところは
共に建築を通して<明るく安全な社会>の創造であり、建築士会と事務所協会とは正に車の両輪のような関係でもあります。
幸いにも事務所協会様には本澤名誉会長や佐々木会長を始めとして、
素晴らしい方々が<明日のより良き栃木県>を目指して頑張っておられますので、
私達、建築士会もご指導ご鞭撻を頂きながら、共に頑張ってゆきたいと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。
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3月4日(金)・5日(土) で京都、山崎の聴竹居(ちょうちくきょ)の建築散歩に行って来ました。
今から90年前の昭和 3年に建築された、日本で初めての<環境共生住宅>で、建築家、藤井厚二の自宅です。
何が凄いかと言うと、ともかく 全館換気システムや床下冷房、コンポストシステムの採用…等
ともかく9 0年前作られたパッシブソーラー建築で、今でも現役で稼働しているのです!
床下冷房…とは崖地の斜面に通気孔を設置して、全長約20mの土管で 床下に冷気を取込んでいます。
床下と天井は通気ダクトが台所に設置され、台所の臭気と換気もかねながら全館換気を行っています。
また廊下や和室の本網代天井の網代組みの隙間や、広縁の天井スリット換気口からも換気を行っています。
他にも日本でも数台の冷蔵庫の採用や 電気給湯機…等が採用されていますが、
その配電盤のキッチュなデザインには圧倒されました。
クローゼットの遠近法的吊り棚の仕上げや、枕元照明、広縁の出隅部の火打ち梁を兼ねたRカウンターの…など数多くの
デザイン遊びや建築的工夫…など、忘れていたDetailが各所に見られ、ディズニーランドの造られた楽しさではなく、
本当の建築の楽しさを実感出来て、予定時間を1時間もオーバーし、3時間も見学してしまいました。
夜の泊まりは東山の白川沿いで、 民泊に貸出している京町家です。
台所&水回り以外は全ての部屋が畳敷きで、全てが襖で仕切られ、床の間有りのホットする間取りです。
意外な発見もありました!
町家ですから、当然坪庭が有りますが、その前の廊下は縁側ではなく、濡れ縁なのです。
ですから感覚的には、一旦外に出てから WCや浴室に行くことになります。
ソウカ! ソウダッタノカ !!
安藤忠雄のデビュー作 <住吉の長屋>を見たとき、雨の日には傘をさしてWCに行くと…
読んだ記憶があり、ビックリしましたが、
京町家では日常的感覚であり、関東人には無い京都の伝統的感覚だったのですね!
次の日の早朝、白川沿いを祇園へと散歩しました。
イヤー人生でこれほど気持ちの良い早朝散歩も初めてでした。
< かにかくに祇園は恋し、寝る時も、枕の下を水の流るる >吉井 勇氏の歌の意味をしみじみと実感しました。
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