本日、平成27年1月11日 成人式ですが、
(株)綜合資格殿より、新建築士合格祝賀会での挨拶を頼まれました 。
建築士の魅力や可能性を若者達に伝えたいと思い、ブログにアップさせて頂きます。
私は栃木県建築士会の会長の青木と申します。
本日は宅地建物取引士及び1・2級建築士合格祝賀会にお招き頂きまして有難うございます。
皆様に改めて合格お祝いを申上げると共に、私達建築士会への入会案内でお伺いいたしました。
建築士会とは学科試験の法規でも勉強したと思いますが、建築士法の第5章で設立が認可されている団体で、
都道府県ごとに設置されている1級、2級、木造建築士の建築士の資格を持った者が入会出来る資格者団体です。
栃木県建築士会は64年前の昭和27年に設立され現在の会員数は1,380名です。
業種の内訳は建設業関係が約50% 設計関係が40%、他は教職員や行政職員、不動産関の方々など
多種多様な方々が在籍しています。
色々紹介したいこともあるのですが、時間の関係もありますので一つだけ話をさせて下さい。
多分皆さんはまだ実感が無いと思いますが、建築士と言う資格は今後の皆さんの一生を
個人的にも社会的にもサポートしてくれる大変重要な資格です。
又この資格から様々な方面に自分をスキルアップ出来る基礎となる資格でもあります。
個人的には建築士の資格を持つことで、設計や施工の就活や仕事の上で皆さんの
社会的評価が 1ランクも 2ランクもアップする事は間違いありません。
また建設業界以外の例えば不動産や測量、土木、インテリアの分野でも非常に評価の高い資格です。
次に社会的な分野では様々な分野で社会貢献が出来る資格なのです。
例えば、歴史的建造物の調査保存ではヘリテージマネージャー制度が、
空き家や空店舗の建物診断ではインスペクターという資格が、
災害支援では現場に駆付け建物の危険度調査や判定を行う応急危険度判定士…等
これらは建築士でなければ出来ない社会貢献です。
更に自分をスキルアップさせるならば不動産の分野では本日多くの合格者がいらっしゃる宅地建物取引士や
土地家屋調査士、測量士、 医療の分野では福祉住環境コーディネーター、 金融の分野ではFP…の試験等でも
建築士の知識は大きなアドバンテージとなります。
どうかこの素晴らしい建築士と言う資格を得た事を誇りとして、今日からまた仕事や勉強の上で、
新しい一歩を踏出してください!そして更に自分をスキルアップして有意義な人生として下さい。
建築士会は色々な情報提供や各種の研修会を開催して皆さんをバックアップしておりますので、
是非入会して下さい。本日は建築士会青年部の方も出席していますので、この後色々話をしてみて下さい。
また 2月21日の第3日曜日には建築士会主催の新建築士セミナーを開催しますので是非ご参加ください。
本日は本当におめでとうございます。
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皆さま、明けましておめでとうございます。平成28年がご多幸の年であることをお祈り申し上げます。
今日は元旦ですので、10年前と現在とを比較することで、これからの 10年後 の建築を考えてみたいと思います。
そして、それを起点としてこれから進むべき、今後 5年間の抱負や見通しについての私見を述べさせて頂きます。
昨今の建設業界は好景気の影響か新卒者の求人は引く手あまたで、公共工事では入札辞退が珍しくない状況です。
しかしこれからは建設業界にとりましては、かなり厳しい状況の始まりになるかと、思います。
昨年春の国立新競技場建設を巡る騒動や、秋に発覚した杭偽装問題はまだまだ収束の見通しが立たず、
社会からは建築業界の体質に改めて多くの疑惑の目が向けられています。
また少子高齢化に伴う住宅着工戸数の減少や空き家の増加は今後益々加速化することが予測され、
若者の建築離れも止まりません。
住宅着工戸数では10年前の平成17年には123万戸でしたが、昨年は90万戸弱に減少し、
10年後には60万戸台とこの20年間で半減すると予測されています。
一方で 8大ハウスメーカー(セキスイ、ダイワハウス…等)の市場占有率は10年前15%台でしたが、
10年後は40%と寡占化がますます進み、地域の工務店や設計事務所は仕事激減が予想されます。
一方、空き家は10年前600万戸台でしたが昨年は830万戸へと増加し、
10年後には何と1,400~1,500万戸と倍増し、4軒に1軒が空き家になるとの予測が出ております。
更に空き店舗を加えるとその数2,000万戸を超えると思われます。
社会面では今年から東京オリンピック関連の需要が首都圏を中心に大幅に増大し、資材不足と価格の高騰、
職人不足と賃金高騰…等による建設単価の上昇の波がこれから4年間は北関東を包み込むと予想されます。
消費税アップによる駆込み需要も多少はあるかもしれませんが、今の好景気は続いても今年一杯、
それ以降は工事費の高騰による発注激減により、冬の時代に逆戻りになるかもしれません。
昨年春、栃木県建築士会の会長を拝命し、その後 2か月間を掛けて県内13支部を訪問してまいりました。
そして支部の役員さん達と懇談会を開催して参りましたが、その中で話の中心の一つが若者の建築離れでした。
約20年前の平成8年は高校、大学合せて7万2千名の新卒者が建設業界に就職しておりますが、
4年前の平成23年は3万2千名と半減し、昨年はさらに減少していると推測されます。
高卒者に限ればピーク時の1/3に激減です。今や若者にとって建設業は魅力無き職場になっています。
このような中、我々建築士何を目指すべきか?
私の指針を3つほど述べさせていただきます
第一点はまず少子高齢化社会で必要とされる新しい環境創りです。
高齢化社会と言うと高齢者福祉や介護施設の整備、バリアフリーの環境創りが連想されますが、逆の立場から見れば
高齢者社会とは成熟した大人社会の出現であり、多様な価値観が存在する社会です。衣食住のあらゆる分野で、
人と人との環を基本に、地域の風土や歴史・文化に根を下ろした物づくの気持ちが大切になります。
大手資本が苦手とする地域性に富んだ、一品生産の会話のある物づくりを心がけ、地域社会や他業種業界と
連携してゆく事が求められます。
二つ目の指針は<建築>の意識変換です。これまでは<古い建物を壊し、新しく建てる事>が建築の定義
でしたが、これからの低成長の成熟社会では更に<古い建物に新しい価値を付加し再利用、再活用する事>
と言う定義を付加する必要があると思います。
空き家空間を空間資源として捉え、ライフスタイルの変化に合わせて、多様な社会ニーズにリノベーションで答えてゆく
業務が、今後は私たち建築士に求められて来ます。
建築士会が認定しているヘリテージ・マネージャー(HM)制度や、昨年暮れに開催した建築士会のインスペクター研修会
は、今後の社会の変化に対応してゆく為の布石となります。
最後は建築士という資格へ矜持の姿勢です。申すまでもなく建築士は、建築物の設計や工事監理に当たる
技術者の資格を定め、業務の適正化と建築物の質の向上を目的とする建築士法に基づく資格であります。
が同時に建築士はその業務を通して街づくりや災害支援、歴史建築物の調査など、職能として地域社会に
貢献できる素晴らしい資格でもあります。
建築士の資格を得ることで、応急危険度判定士やヘリテージ・マネージャー、インテリア・プランナー…等、数多くの資格取得
の道が開いております。昔は<足の裏に付いた飯粒>資格と揶揄されていましたが、現在は取得するのに
大変難関な資格です。私たちは若い世代に、建築士の持つこれらの可能性を教える共に、物づくりの現場で仕事を
成し遂げた後の達成感、充足感が建築士の魅力であり、生き甲斐となる事を伝えなければいけないと思います。
俺は建築士である!という矜持の姿勢で これからの時代を生きてゆきたいと思います。
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