建築日記~格ちゃんのひとりごと~

(株)環設計のブログです。 最近思った事や、建築に関する近況などを書いていこうと思います。




20年後の<住い>後編 :: 2015/04/19(Sun)

平成27年4月19日(日) ※今週、宇都宮市より新しい仕事が入りました!これで一安心です。

2回にわたり、20年前の思い出話と 2、0年後の予測話をさせて頂きましたので、
本日は話のテーマである、20年後の<住まい>について話させて頂きます。

前回の少し述べさせて頂きましたが、これからの住宅にはこだわりと付加価値が必要になって来ると思います。
キーワードは次の3つです
①リフォームとリノベーション(Renovation 大規模改修)…前回の空き家の項でも述べましたが、これからの住まいの
  設計では空き家・空き店舗対策と リンクして、リフォームやリノベーションによる手法が主流になると思います。
  また今後、30年間にわたり高齢者は増加し続けますが、一方では画一的老人施設ではなく、現在の住まいを
  リフォームにより<終の住処>として再生を希望する高齢者の方々が増加すると思います。

②歴史 と 文化…高度成長の時代が終わり、成熟社会を迎えた現在、そして始まった少子高齢化による社会現象の
  一つとして、ふるさとの歴史と文化の発見が今後、益々盛んになると思います。
  その中で、街づくりの核となる歴史的建造物の調査や設計に一定の見識を持つ建築士(ヘリテージマネージャー)には
  地域再生への提案や活躍の場が期待されています。これからの住いの設計は、ふるさとの歴史と文化に根差した
  保存と創造、不易と流行を基盤とした、地域に根差した設計が求められると思います

③エコロジーと省エネ…これからの住宅にはこだわりと付加価値が必要になって来ると思います、と記しましたが、
  エコロジーと省エネは、まさに目に見える付加価値のシンボルであると言えます。
  省エネに関しては、国交省は平成25年次世代省エネ基準を 5年後の2020年までには義務化し、
  標準的な新築住宅をZEH(ネットゼロエネルギーハウス)で実現し、更に15年後の2030年までには新築住宅の
  平均にZEHを適用する目標を掲げてスタートしました。
  今後、多くのハウスメーカーがZEHを標準装備として、雨後の竹の子の如く多くの商品を発表して来ると同時に
  市井の我々設計者や施工者にとっては、省エネ機器の装備では一歩も二歩も遅れた状況になると思います。
  が一方で、成熟した大人の社会では本物志向がますます強くなり、内外装に自然建材を用いた健康住宅や
  自立循環型住宅などのエコロジー分野で設計された住宅の付加価値が、見直されることになると思います。
  エコロジーの理念と省エネ機器による住宅は、20年後の住まいの設計の主役であると言えます。

4月17日から3回にわたって思いつくままに書かせて頂きましたが、これから20年間で少子高齢化による
さまざまな社会現象が起きてくると思います。
建築に限って言わせて頂くなら、社会の不足を補う為に、新たに造ることを<建設>と言っていたならば、
今後はそれらを適正規模に整える、あるいは収斂させることを<建設>と呼ぶようになるかもしれません。
20年後の建築設計は、現在と立ち位置が逆転している世界かもしれません。
  
 
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20年後の<住い>について :: 2015/04/16(Thu)

平成27年4月16日。
この1か月仕事が暇なので、日頃出来なかったエコロジーや省エネに関する本や
新しい木構造の可能性や高齢者施設の現状について、手当たり次第に勉強していました。

そんな内で、フト20年後の住いと建築設計について考え始めました。
キーワードは何と言っても<少子高齢化>ですね!
そして20年後を考えるなら、20年前を思い出してみるのがまず第1歩と思い、思いつくままに書き出してみました。

①人口構成;団塊の世代(昭和22~24年生れ)が45~47歳 仕事も遊びもバリバリの時代です。

②社会情勢;20年前の平成7年はバブルがはじけ、土地神話が崩壊し株価が急落、明日に不安を感じ始めた頃です。

③主な出来事;阪神淡路大震災が1月17日、地下鉄サリン事件が3月20日…と社会が騒然としている中で
  皇太子と小和田雅子妃のご成婚があり、Jリーグが発足し レインボーブリッジも開通し少し明るい気持ちになりました。

④政治情勢;日本新党(そんな政党が有りましたね!)細川首相が誕生、自民党の55年体制が40年目にして崩壊

⑤個人的情勢;
    ・平出工業団地のテナント事務所で手書き(平行定規)で設計してました(CADはあったけど、使えなかったナァ)
    ・文章作成は パソコンではなく、ワードプロセッサー(文豪かな?)を使用していました。
    ・携帯は勿論ありません、PHS(ピッチ)だったかな?外では、公衆電話とテレホンカードがまだ主役でした。
    ・TVは勿論 カラーのブラウン菅、大型だった為やたらと重くて、畳が凹になってました。
    ・自宅の新築計画に夢中でしたが、断熱設計や省エネ設計…等にはほとんど無頓着でした。
     (断熱材も GW 10kg (ア)50 が主役の時代で、壁に入れておけば断熱はOK !と言う感じでした) 
    ・事務所は私を含めて総勢7名、バブルの名残で毎日朝の9時から、夜の10時ごろまで仕事でした。 
    ・コンビニも セブンイレブンが ヤット出来たか!と言う位で、買い物は老若男女ほとんどがスーパーマーケットでした。
    ・カラオケは8トラックテープから レーザーディスクに切替わる時期で、飲み屋のママに勝手に触っちゃダメ!と怒られました

と、思い出話は尽きることが無いので、今日はこれで止めます 。

平成27年4月17日、今日も暇なので昨日の続きを…
さて 20年後の住いと建築設計ですが まず20年後の予想を少し調べてみました。

①日本の人口;現在は1億2,700万人⇒20年後の平成47年には1億1,000万人と 約1,700万人も減少します。
  2010年の栃木、茨木、群馬、福島、山形、宮城、岩手、青森、秋田県の総人口数が 約1,600万人ですから
  北関東から東北地域までの人口が減少してしまうという事です。

②65歳以上の高齢者;現在は3,300万人で約4人に1人が高齢者⇒平成47年は3,700万人で3人に1人が高齢者
  となり、30年後の平成57年には3,900万人で2.5人に1人 の超高齢者世界になると、予想されています。
  ちなみに栃木県の高齢者は現在、45万人ですが平成47年には58万人と約13万人の増加予想です。
  車で走っていても現在は、初心者マーク 1に対してクローバーマークは3~4倍ですが、20年後は5倍になるかも…

③しかし世界の人口は65年前のS25年(1950)には25億人だったのが、平成12年(2000)には60億人と大爆発し
  h27年(2035)には85億人に達すると、予測されています。
  日本にも多くの外国人が帰化して、永住しているかもしれませんね。

④社会情勢;5年後の2020年東京オリンピックまでは、経済は緩やかな上昇を続けるかもしれませんが、
  それ以降はシンドロームに陥る気がします。
  オリンピック以降を元気にするのは多くの高齢者パワーであり、高齢者向けサービス産業ではなく、
  高齢者と創る新しい事業、が経済のカンフル剤になると思います。
  そして 20年後の平均寿命は男が85歳、女が90歳となり、定年は70歳になっているでしょうね!

⑤街なか情勢;
  ・街には燃料電池で自動運転の小型車があふれ、健康のために自転車も大活躍
  ・通信、映像、バーチャルの世界は 全く想像できません!
  ( 20年前に、今日の自分の身の廻りにある パソコン、通信、映像、音楽機器…を予想出来ました?)
  ・人手不足の解消に、ロボットが大活躍。医療や介護、建設現場などで…交通違反も取締っているかな?
  ・多くの外国人が地方都市にも定住し始め、仕事のグローバル化が進捗していると思います

⑥住まい情勢;
   平成20年の住宅は5,760万戸、世帯数5,000万世帯⇒約760万戸が空家で、毎年10%台で増加しています。
   (平成24年では約820万戸に増加。内訳は賃貸住宅が約430万戸、木造戸建てが220万戸、他170万戸)
   一方、新築住宅着工戸数はリーマンショック以降、年間約 90~100万戸で推移して来ましたが、今後10年以内に
   50~60万戸に低下すると予測されています。
   原因は少子高齢化化による、賃貸住宅の家賃の低下です。
   これからは賃貸マンションなどが大幅に空家状況に入り、家賃競争と設備の性能競争に入ると思われます。   
   そんな安くて、便利に住める住環境の中で、35年の住宅ローンを組んで新築住宅を建てる事を考えますか。
   もし住宅を新築するならば、それなりのこだわりと付加価値のある住宅になると思います

長くなったので、次回に延期します。
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