建築日記~格ちゃんのひとりごと~

(株)環設計のブログです。 最近思った事や、建築に関する近況などを書いていこうと思います。




建築士会 岡田会長の栃木県文化功労者受賞祝賀会 :: 2015/02/20(Fri)

2月10日(火)に建築士会岡田会長の栃木県文化功労者受賞を祝って、祝賀会が開催されました。
その席での、私のあいさつ文を転記させて頂きます。

岡田会長文化功労者賞 受賞祝賀会 発起人挨拶
皆様こんばんは。私は栃木県建築士会の青木と申します。発起人を代表いたしまして一言ご挨拶を申し上げます。
本日はお寒い中、またご多忙の中を私達、栃木県建築士会 岡田義治会長の栃木県文化功労者受賞祝賀会
にご臨席を頂き、誠に有難うございます。また、建築士会連合会の三井所会長をはじめ新潟県の阿部専務、
遠路 ご足労を頂き 有難うございます、重ねてお礼申し上げます。

今回、岡田会長が受賞された 文化功労者賞とは、栃木県の文化の振興に著しく貢献された方を対象に、
表彰している制度です。昭和24年に始まり、本年まで 65年間に渡り 140名の方々が受賞されている、
いわば栃木県の文化勲章です。初代の受賞者は人間国宝である陶芸の浜田庄司氏、版画の川上澄生氏…
等であります。今までの受賞者の内訳は絵画、陶芸、音楽などの芸術分野で 75名、郷土史研究や考古学等の
学術分野で35名、他の分野で30名です。が、建築文化の分野では平成14年に日光社寺文化の保存に
係わって来た日光市の岡部信夫氏が受賞した以外は岡田会長が 二人目の受賞です。如何に受賞資格が
厳しいか…というより、岡田会長の業績がいかに凄いものであるか!を改めて感じて頂きたいと思います。

お手元の式次第でも記載されておりますように、宇都宮市のカトリック松が峰教会の調査研究や、
岡田会長が調査に入るまでは廃屋に近い状態で放置されていた那須塩原市の青木周蔵別邸…等
を近代建築史上の重要な建築文化であると位置づけ、長年にわたり調査と保存、活用に尽力されました。
その結果 青木別邸は平成11年には栃木県の近代建築では、下野市のシモレン工場に続く 2棟目の
国の重要文化財に指定される原動力となりました。現在青木別邸は道の駅那須のメインの観光資源として
て連日、多くの見学客で賑わっております。

この他にも会長が調査を手掛け、歴史的検証を加えた建物は数え上げたらきりがないほど程の棟数になります。
誠に岡田会長の 40年にも及ぶ熱心な調査研究のお蔭で、栃木県の近代建築はその文化的価値と歴史的価値を、
多くの県民の方々に認識して頂けたと共に、歴史的建築の調査研究、保存活用の重要性を知って頂いた、
と言っても過言ではないと思います。

更に会長は建築文化を継承推進する、人づくりにも熱心であります。会長の肝いりで 4年前から始まった
ヘリテージマネージャー(歴史的建造物の保全活用を図る建築士の事)の講座を設置し、昨年度までに
60名の卒業生が誕生し、本年も3月に10名の卒業生が誕生予定です。彼らヘリテージマネージャーには
岡田会長に続く、これからの近代建築の調査、保存の分野での活躍が期待されています。

 本日の本席は、このような岡田会長の幅広い活動と長年の調査保存への御尽力に対して、
私達からの心からのお礼と感謝とお祝い言葉を述べさせて頂く場として設けさせて頂きました

岡田会長の人となりにつきましては、皆様がよくご存じのことと思いますので、いまさら申し上げるまでもございませんが
昭和45年から宇都宮工業高校を始め県内の工業高校で教鞭をとられ、多くの優れた建築科の学生を育ててこられました。
本日は、岡田会長を師と仰ぐ多くの卒業生や、建築を始め多くの分野から 会長を慕う方々が、このお祝いの席に
お集まりくださいました。発起人を代表して 改めて厚くお礼申し上げます。
またこのような挨拶をする機会を与えて下さった、関係者各位にお礼申し上げます。
さあ、今宵一時 岡田会長を囲んで楽しい宴を始めましょう! 有難うございました。
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三井所会長の講演会 :: 2015/02/01(Sun)

今日は平成27年2月1日、エーもう2月カヨ?!・・・という感じです。
が、朝一番のNewsはイスラム国に捕えられている後藤健二さんが、殺害された!
という衝撃的な記事で目が覚めました。
正直言って今までは、助かるのでは・・・と淡い期待を持っていましたが、
あまりの生々しい現実に、改めて自分の甘さを感じています。
しかし一方で、イスラム国に対して、激しい憎悪と憎しみを、身近に感じます!
こうなるともはや理屈や正義ではなく、感情で走り出しそうです。

話を戻します。
昨日、栃木市の商工会議所で日本建築士会連合会会長の三井所清典氏の
<街並み保存と活用>の講演会を聞いて来ました。
三井氏は建築士会連合会会長を務める傍ら一方で、アルセッド建築研究所の所長として
日本の街並み、街づくりに 30年以上に渡って携わって来た方です。

昨日、日本中で20か所以上!の街づくりに関与した事例報告を
豊富な資料をもとに話をうかがいました。
個別の事例に共通する基本的スタンスは次の3つかな・・・と思います。

①地域振興    ⇒建築は地元の大工さん、工務店を使って建てる。

②街並みReform ⇒家のReformがあるように、街づくりもReformで再生する

③行政への提案 ⇒組長さん達も新しい視点を求めている

①に関しては、街づくりを機会に 地元職人への仕事発注や職人技の継承を推進する
※伊勢神宮の式年遷宮は20年だが、出雲大社は60年の為、今回の遷宮では職人が見つからず苦労したとの事。

②に関しては、街並みも<何の為に何をするのか>目標をシッカリ持つこと。
  また一人だけが目立つのではなく、皆で協力し、一歩ずつ進みながら考える事

③に関しては、お役所仕事では画一的で安易な計画案に成りやすいので、
  住民の視点から提案を行う事。上から目線と反発せずに、自分たちの目標をシッカリ提案する事

・・・個別ごとの実践報告は、私達建築士が街づくりに係る上で大変参考になりました。
  (機会があれば事例報告の残り半分も是非聞きたいものです)
  また CA(コミュニティアーキテクト)として毅然とした矜持の姿勢を 30数年間も貫いてこられた三井所会長に
  頭が下がると同時に、市井の一建築士として氏を我々建築士会の連合会会長として推戴している事に、
  誇りに感じました。
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