建築日記~格ちゃんのひとりごと~

(株)環設計のブログです。 最近思った事や、建築に関する近況などを書いていこうと思います。




今話題の省エネ、創エネ機器について :: 2013/04/13(Sat)

本日はNPO 栃木エコロジー設計協会の会員として、エコロジーの分野で今、注目を集めている各種の
省エネ機器、創エネ機器について、幾つか紹介させて頂きます。
その前に 栃木エコロジー協会は、今から8年前の 平成17年8月に エコロジー と エコノミーによる環境共生型建築
の普及を目的として設立されました。現在会員は 設計者、事業者、木材業者 を含めて15名でエコロジーに
関する 勉強会や、一般の方を対象にしたセミナーなどを開催しています。
SAAの田村さんや副SAAの片島さんも同じ仲間です。 もし今後、省エネや創エネで分からない事が
があった時は、気軽に声を掛けて下さい。何かお手伝いが出来ると思います。
 
では早速、本題に入らせて頂きます。資料①をご覧ください
日本のエネルギーの供給量を見てみると ①天然ガス②石炭③石油 の化石燃料系で 全体の60 %を占め、
原子力が約30% 他は水力や ソラー発電などのグリーンエネルギーです。これが東日本大震災前の状況です。
しかし 現在は原子力が ほとんど0に近い為、化石燃料が90%になっております。

でも、化石燃料には大きな問題点が三つあります。一つは燃焼時に地球温暖化の原因になるCO2を排出する事、二つ目は日本ではほとんど産出されない為、そのほとんどを輸入に頼っている。その費用は何と一日に180億円です。1日に180万のプリウスを約10,000 台輸入しているようなものです。電気は高いのです!
そして最後の問題点は ガスや灯油をそのまま使用すれば、エネルギーへの変換率は80~90%で利用出来ますが
電気に変換すると、自宅に届くまでに、排熱や高圧線の送電ロスで約65%が消滅し、35%しか利用
出来ません。電気は高くて無駄の多いエネルギーなのです!

東日本大震災後、国交省はエネルギー供給の大幅な見直しと厳しい規制を矢継ぎ早に実施しています。
特に昨年12月に施工された低炭素建築物認定制度は、これまでの省エネ基準を大幅にVer UP しました。
なんと7年後の~2020年までにゼロ エネルギー住宅を目指すというのです。

例えば グラスウールの断熱材ですが 20年前は厚さ5㎝でした。現在は厚さ10㎝が標準ですが、7年後には何と厚さ20㎝を標準仕様にするというのです。20年前綿入れ布団1枚だった生活が、7年後には布団を4枚掛けて寝る生活を最低基準にするという事です。まさに建築の世界は大きく変わろうとしています、そんな中で各種の省エネ機器や創エネ機器もまたたくさん開発されています。

そこで今日は熱源と用途で見る省エネ一覧表を作成してみましたので、本表に基づいて説明させて
頂きます。まず 熱源は 灯油 ・ガス ・電気 ・ソーラー と縦に 4列表示してあります

調理では IHの採用は単独回路 25~30A必要ですので、ブレーカー容量が最低でも70A~100Aは必要
になります。基本料金が上がりますのでご注意ください。安全ではありますが省エネとは言えません。

冷房は電気のACしかありません。しかし10年前と比較すると、電気代は半分と立派に省エネしています。

給湯はガスの エコジョーズの採用をお勧めします。システムはガス燃焼時の約200℃近い排熱を再加熱
に利用してガスの使用量を減らし、約15~20%省エネを実現しています。
電気での給湯はエコキュートですが、一時ほどのブームが去りました。大きな原因は深夜電力が¥7円から
¥12円にUPした事、補助金がほとんど無くなった事、省エネには運転モードに注意する必要がある事…等です。

太陽によるソーラー給湯ですが、このシステムが私は給湯には最適で最高の省エネ機器だと思います
風呂やシャワーの温度は40~43℃もあれば十分です。夏場ならタライに水を入れておけばぬるま湯になりますが、
この システムでは約45℃のお湯が昼と夕方で2回取れますからボイラーが不要です。
冬場はぬるま湯(約20~30℃)を貯湯タンクに貯めておき ボイラーで加熱すれば十分です。
お湯を作るのに高価な電気やガスは不要です!

暖房の解放型とは昔からのストーブです。灯油やガスは室内に一酸化炭素が溜る恐れがあるので ×です。
同じ暖房の閉鎖型とはFFストーブです。外から空気を取入れ、外に排気する為に吸排気ダクトがついており、固定式です
ファンコンベクターとはボイラーで不凍液を温め、温めた不凍液を ラジュエター型の温水パイプで循環させる方式で
色々な種類があります。内部にファンを設け必要に応じて温風を吹出します。快適な暖房器具ですが
省エネ…を計る為にはエコジョーズなどのボイラーを採用する事がBetterです。

灯油やガスのによる床暖房は、ファンコンベクターと同じように、不凍液をボイラーで温め、温水パイプを内蔵した
ベニヤ大の大きさのパネル内を循環させて温める方式で、省エネを計るには同じくエコジョーズがBetterです。

電気の床暖房はもっとも手軽ですが、電気代が掛かり不経済で、省エネとは言い難いです。
床暖房では省エネ機器としてお奨めできるシステムは有りませんが、エコジューズ等と組合せたシステムはBetterです。

次に蓄熱暖房器型があります。あまり馴染ない器機ですが、深夜電力で耐火レンガを600~700℃に温め、
輻射熱を利用して暖房するシステムです。容量が2~7kwと大きい為、省エネ機器とは言いづらいですが深夜電力
利用の為、維持費は床暖房位です。明け方に暖かいのが一番ありがたいと、採用した家の全ての奥様方の感想です。

次に床下暖房ですが、ベタ基礎のコンクリートを蓄熱層として利用するシステムで熱源としては電気と ソーラーが代表的です
コンクリートは容積比熱が大きい為、温まり~冷めるのにも時間が掛かりますので使用時間の設定が重要です
電気タイプは深夜電力を利用して温める為、お店やオフィス等 日中の使用が多い建物に適しています。

OMソーラーは資料にありますように、お日様が出ていれば、屋根面の集熱ガラスで空気を暖め、その温風
50~55℃を床下に吹出し、日中は床暖房します。夜は床下コンクリートの蓄熱層が昼の温風で石焼き芋の石
のごとく温かいので、輻射熱で床下から暖房してくれます。一日の温度差は15~20℃位で安定しています。
資料のデーターは私の事務所に設置したOMソーラーの10年前のデーターですが、今年の冬もほとんど同じでした。
尚、OMソーラーはソーラー給湯システムも兼ねており、暖房効果より ソーラー給湯の方が省エネの経済効果は大きです。

発電はガスを利用したエネファームをお勧めします。まだ設置費用が200~250万と高価ですが
補助金制度があり、実費は¥130万前後となります。システムは水の化学分解の逆で、ガスの水素と空気中
の酸素を化学結合させます。その時放出される電気を発電に利用し、放出される熱をでお湯を作るシステムです。

ソーラー発電パネルは今更、説明は不要と存じます。創エネの代表でソーラー発電と給湯、暖房を組合せる事がこれからの
省エネの主流になると思います。気になるのは買取価格が今年は@37円に下がる?と言われていますが
創エネの売電利益を期待して設置するのは少し無理があると思います。
設置費用も10年前は@80~90万/kwでしたが、現在は約半分近くなり、発電能力も大幅にUPし 
10年前の発電パネルと比較すると、約60%の面積で済みます。
しかも最近のソーラーパネルは停電時に使用可能な自立運転コンセント付になっており、また蓄電器
が取付け可能になりました。Panasonicの 1.2kw で6時間使用¥70万は2、3年前には考えれないシステムです。

以上で省エネ、創エネ機器の紹介を終了させて頂きますが、これらの機器を組合せると
ゼロエネルギーも可能なシステムがあります。代表的な例として二つほど紹介させて頂きます
Wソーラー ;ノーリツが今年発売したソーラー発電とソーラー給湯 を同時に行うソーラーシステムです
クアトロソーラー;OMソーラーが昨年発売した、床下蓄熱暖房・ソーラー給湯にソーラー発電を組合せたシステムです。
以上で非常に駆け足でしたが、今注目を集めている各種の省エネ、創エネ機器の紹介を終了させて頂きます。

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